公開日: 2025/11/07
更新日: 2025/11/11
子ども用の電動バイクによるバランストレーニングを兼ね、子どもたちにバイクで走る経験をしてもらうイベント『キッズバイク』。主催は、バイクによるさまざまな地域おこしイベントを企画・実施している団体『RIDEplus(ライドプラス)』。キッズバイクは毎月、神奈川県愛甲郡清川村の宮ヶ瀬湖にある駐車場を使って行われているが、10月5日の開催では宮ヶ瀬を飛び出し、小田急電鉄の協力を得て、海老名市の『ビナガーデンズイベント広場』で開催された。
今回、キッズバイクが行われた広場はJR海老名駅と小田急・相鉄の海老名駅を結ぶ連絡通路の下に広がっており、道路を挟んだ向かいには『ロマンスカーミュージアム』があるなどロケーションは良好。宮ヶ瀬とはまた違った人たちにバイクを訴求するチャンスとなった。
連絡通路には途絶えることなく人が行き交っており、1組、2組とどんどん人が集まってきて、キッズバイクの受付を済ませていく。バイクに興味を示すのは男の子がほとんどだろうと思っていたのだが、女の子も少なくない。半々とまではいかないが、3〜4割くらいは女の子だろうか。見ていると、バイクに積極的なのはむしろ女の子。バルーンの壁にぶつかってもめげずに、チャレンジしていく姿が何回も見られた。
その他にも、スタッフの補助がないと真っ直ぐ走れなかった子が、いつの間にか補助なしで走れるようになっていたり、何回も転びそうになりながらも、諦めずに走り続けてよろける回数が減っていったりと、“技術の向上”も確認できた。
「キッズバイクは、バイクで走る喜びや楽しさだけを経験してもらうイベントではありません。ヘルメットはもちろん、グローブ(軍手)、ヒジ・ヒザ・胸部のプロテクターも用意して安全を担保しながら、思い通りにバイクが動かせないもどかしさや怖さというのも体験してもらいたいと思っています」(ライドプラス代表・岩間大輔さん)
バイクは楽しいだけではない。転倒や事故の危険性もある。成功体験だけではなく失敗もしてもらうことは、キッズバイク体験者の中からやがてライダーになる子どもが出てきた時に、きっと役立つはずだ。また、安全かつ安心して乗り物体験やバランストレーニングができるということから、自転車に乗れないお子さんの練習にも使われているようだ。
キッズバイクは開始してから3年目で、対象が3歳から小学生までなので、まだバイクの免許が取れる年齢に達した体験者はいない。だが、宮ヶ瀬でキッズバイクを体験してからバイクが好きになり、今では電動バイクの大会に出るなど、バイクを楽しんでいる子どもも出てきているという。そのうちの何人かが会場に来ており、バルーンコースの外に設置されていた、スラロームなどが設けられたコースを大人顔負けのライディングフォームで走っていた。
「最初、バイクが怖いと言っていた子なんですけどね(笑)」
今回のキッズバイクは、最初の10分が1000円、10分延長すると500円、10分再延長すると500円、その先の延長は無料。つまり、極端な話、2000円で一日中乗れるのだ。宮ヶ瀬だと再延長して長く乗る子が多くいるとのことだが、海老名開催では近くにイオンなどがあり、キッズバイクだけを目的に来ているわけではないとのことで、再延長する人数はいつもよりも少なかったとのこと。それでも、受付に何人も並ぶシーンが何度も見られた。
「徐々にですがキッズバイクの認知度も高まってきており、今まではこちらから『やらせてください』と自治体や企業様に提案してきましたが、今回は小田急さんからオファーをいただきました。私たちもそこまで成長できたのかなと感じています。でも、もっと成長して、もっと多くの子どもやその親御さんにバイクを訴求していけたらと思います。そして、その中から一人でも多くバイクに乗る仲間が出てきて、ライダーの輪を広げていけたら嬉しいですね」
お母さん・・・「キッズバイクはインスタグラムで知りました。息子は自転車に乗れませんし、ストライダー(ランニングバイク)も歩くような感じでしたので、自転車に乗れるようになれたらと思い、来ました。上手だったね」
R君・・・「楽しかった。自転車に乗れるようになって上手になったら、また電動バイクに乗ってみたい」
お父さん・・・「息子は小学4年生なんですけど、まだ自転車に乗れないので、乗れるようなイベントはないかなと探していたところ、インスタグラムでキッズバイクのことを知って参加しました。息子も頑張っていましたし、スタッフの方も丁寧に教えてくださったので、コツがつかめたかなと思います。これで帰って自転車に乗らせてみようと思います」
S・I君・・・「楽しかった。また乗ってみたいかは分からないけど、自転車に乗るコツはなんとなくつかめた気がします」
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