公開日: 2021/11/02
更新日: 2022/09/21
ホンダドリーム初のレンタル専門ショップ「クラブハウス」をオープンしたホンダドリーム戸田美女木。車両販売と車両レンタルの機能を分けることで、貸し出し時間を朝7時からとするなど、フレキシブルなサービスを提供できるようになった。
ホンダドリーム戸田美女木(埼玉県・田村充宏代表取締役)は10月2日、ホンダのバイクレンタルサービス「HondaGO BIKE RENTAL」専用のクラブハウスをオープンし、同日よりサービスを開始した。店舗は“カフェ機能”を備えたオシャレな空間。いま人気の「COSTA COFFEE」を店内で自由に楽しむことができる。
ホンダドリーム戸田美女木では、昨年4月より「HondaGO BIKE RENTAL」を約1年半、展開してきたが、利用者から、「もう少し早い時間に借りたい」という要望が多数聞かれたという。
今回、オープンしたクラブハウスは、ホンダドリームとは別のオペレーションとなるため、朝7時からの営業を可能とした。利用者の要望に応えたというわけだ。この効果は早速、数字となって表れた。オープンからわずか10日間で100台を越える予約が入ったというのだ。これについて田村社長は次のように語る。
「予想以上の反響に大きな手応えを感じています。いままでの1か月間における最高予約件数は80件でしたが、この10月からは月100台を目標台数に設定しました」
今回、クラブハウスをオープンした理由としては、先にも記したように、オープン時間改定というユーザーニーズへの対応もあるが、もう一つの重要な要素として、戸田美女木がいま以上に“選ばれる店”になるための試金石という大きな狙いがあった。
同じような商品、同じようなサービスを展開する場合、他との違いを際立たせるためには、プラスαの付加価値、明確な差別化が必要となるからだ。差別化の要素は何気ない日常にもヒントを見つけることができると田村社長は言う。
「コンビニってどの店でも価格は同じですが、中には家から近いけどあまり行きたくない店もあると思うんです。では、なぜそう思うのか。店員の態度だったり、挨拶の仕方だったり、トイレの綺麗さだったり理由はさまざまですが、行きたくない理由をジックリ考えたことがあるかどうかがポイントなのです。私たちは1歩店の外に出たら消費者です。その目線で見て聞いて考えを導き出すことが重要です」
要するに気付きや意識の問題である。対策としては、ひと言で言うと、マイナスだと感じたことと逆のことをやればよいのだ。
これは、ホンダドリーム戸田美女木の店舗運営に関することだが、ユーザーの気持ちを高揚させるための雰囲気の演出も欠かせない要素だという。
「お客さんに書類にサインを頂く時、100円のペンをお渡しするのと1万円のペンで記入して頂くのとでは、どっちがいいか。お客さんは契約の時は喜びの頂点にいます。その気持ちをさらに盛り立てるための要素を考える。これがサービスなのです」
田村社長が繰り返し強調したのは、「高品質な接客」というフレーズ。スタッフに対し最も強く説いていることだという。
いま、ホンダドリーム戸田美女木が目指しているのは、顧客のロイヤルカスタマー化。若年層を増やし、できるだけ長く乗ってもらうためにはどうすればいいのか、について議論を進めているという。いまはコロナ需要もあり業界全体が好調だが、売りっぱなしにしていたら、二輪需要全体がまた落ち込むのは見えている。そのため、同店では、何度参加してもいい無料の安全運転講習会を実施している。こうした対応が、ウチを選んでもらう理由になればいい、と田村社長は語る。
レンタルについても様々なアイデアを実行に移している。その一つがコミュータークラスの取扱い強化だ。これにより意外な結果が得られたという。
「モンキーを全色揃えたら、貸し出しが急増したのです。お客さんは大きいバイクだけに乗りたいのだろう、と勝手に思っていたのですが、決してそうではなく、コミューター需要が多いことが分かったのです。これは、軽い気持ちでバイクに乗りたいというお客さんがいる、ということ。そこで、さらに需要を掘り起こすため、グループで3〜4台借りて頂いたら〇%引き、といったプランを考えています。商品名は『猿軍団プラン』、ですね(笑)」
先ほど予約件数は100件と書いたが、これに占めるモンキーの予約は13台(10月12日現在)だという。人気の度合いがうかがい知れる。今回のクラブハウスのオープンは、新たな需要喚起はもちろん、ホンダユーザー以外の人の目をホンダに向けさせるためのキッカケ作りでもあるのだ。
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