ホンダイベント

ホンダ「プロジェクトBIG-1」のキッカケは後輩たちのバイク話!?

公開日: 2023/01/06

更新日: 2023/01/06

1991年に開催された『第29回東京モーターショー』で衆目を集めたのが、『CB1000SF』。1992年に発売され、瞬く間にヒットモデルとなった。2022年はそれから30年という節目の年。ホンダは2022年11月26日、ホンダ本社ビル1階の「Hondaウェルカムプラザ青山」で『プロジェクトBIG-1・30周年記念デザイナーズトークショー』を開催した。

メインMCを務めたのは、プロレーサー兼モータージャーナリストの丸山浩さん。ホンダから、CB1000SFおよび『CB1300SF』のデザイン開発者の岸敏秋さんと伴哲夫さんが登壇。開発話や裏話などを披露した。

正式なプロジェクトではないことが「カッコいいプロポーション」を実現できた秘密?

「EICMA2022」で公開された「CL250」などを展示
「EICMA2022」で公開された「CL250」などを展示

「プロジェクトBIG-1は当初、正式なプロジェクトではありませんでした」

そう話すのは岸さん。ホンダでは、デザインからやりたいことを提案して行こうという取り組みを定期的に実施しており、その一つがプロジェクトBIG-1だったのだ。

「開発のキッカケはいろいろありますが、今、隣にいる伴をはじめとする後輩たちの存在も大きかった。伴たちが話すバイクの話を聞いていると、ホンダのバイクの名前が出てこない。出てくるのは他社さんの4気筒ばかり。それはいかがなものか、と。また当時、ホンダはV4戦略を謳っていたので、直4エンジンを搭載した大型ネイキッドバイクのラインアップが手薄だった。個人的にはそれもフラストレーションでした」(岸さん)

デザイナー視点で考えると、正式プロジェクトではなかったことがプラスに働いたという。

「見た目優先でモノを配置できた。エンジンをまず置いて、バランスを見ながらタイヤの配置やフレームの取り回しを考えたりなど、普通の開発ではやらないことができました」(岸さん)

「モノの配置には基本的なディメンションというのがあって、エンジンの重量やバランス、傾きによって、ヘッドパイプの位置はここなら大丈夫というのがあります」(伴さん)

良い意味で基本となるディメンションを気にすることなく自由度の高いデザインにできたのは、正式プロジェクトではないからこそなのだ。その自由度の高さを象徴するパーツがホイール。当時はすでに17インチが主流となっていたが、前後ともに18インチを選択した。

「人が乗ったときに、いかにカッコいいプロポーションであるか。そのためには、18インチホイールは絶対に外せませんでした」(岸さん)

約1時間にわたるトークショーでは、丸山さんの「CBとは何?」という質問に伴さんが「個人的で勝手な意見ですが『四発であること』『カッコいいこと』。私の中ではそれ以外にない」と回答。昨年10月に『CB400SF/SB』が生産終了となり、CB1300SFの先行も気になるところだが、「今後のことは聞かされていないんです。ただ、今回、ファイナルエディションと言っていないので、何かあるのかなと私たちも感じています」(岸さん)

ターゲットの40~50代のほか、女性や若い人からも「カッコいい」と言われる『HAWK11』

下川原リサさんの「HAWK11 愛」があふれたトークショー
下川原リサさんの「HAWK11 愛」があふれたトークショー

デザイナーズトークショーのあとには、昨年9月に発売された『HAWK11(ホーク11)』のスペシャルトークショーも開催。テーマは、「ロードスポーツモデル『HAWK11』の魅力を大いに語る」。メインMCは、ホンダモーターサイクルジャパン・企画部マーケティング課の山中佐都紀さん。ゲストは、ホーク11が愛車のタレント・下川原リサさん。ホンダからは、開発責任者代行の吉田昌弘さんが登壇した。

下川原さんがホーク11を購入したキッカケは、昨年のモーターサイクルショー。

「ホンダブースに展示されていたホーク11を見た瞬間、『めちゃくちゃカッコいい』と感じました。そこで、”職権濫用“なんですけど(笑)、MOTORISE(モトライズ/BS11で放送中のバイク情報番組)のスタッフさんに、『乗ってみたい。もし、試乗会があったら、私を使って欲しい』とお伝えしました」

下川原リサさん
下川原リサさん

その熱意が伝わったのか、メディア試乗会に参加することができた下川原さん。

「そのときに改めて、見て、またがって、乗って、もうドキドキが止まらなかったですね。『このバイクを私のモノにしたい』と、恋をしたような感じ。その場で『私、ホーク11を買います』と宣言し、10月に納車されました」

吉田さんが言うには、ホーク11のターゲットカスタマーは40~50代のベテランライダー。しかし、実際に乗っている下川原さんの印象は少し違う。

「確かに、私の父がホーク11を見たときに『カッコいいね』と言っていました。でも、ホーク11に乗るようになってから、女性から声をかけられることが増えたんです。それも女性ライダーの方だけではなく、高校生とかにも『カッコいい』と言ってもらえます。年齢や性別に関係なく、みんなが『カッコいいバイクですね』って、言ってくれます」

この2つのトークショーは、11月15日から12月4 日まで行われていた『MotorcycleNew Model Showin Aoyama』の一環として行われたもの。期間中は、歴代のCBシリーズのほか、昨年の『EICMA2022』で発表された『CBR250RR』や『CL250/500』『Rebel1100T』もウェルカムプラザ青山に展示。11月26日に会場を訪れた人は、展示車両にトークショーと、目と耳で『ホンダ』を満喫していた。




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