公開日: 2023/06/26
更新日: 2023/07/04
5月に発売されたばかりのホンダ「CL500」足つき・取り回しインプレをバイクジャーナリストの小林ゆきさんが行いました!
CLシリーズは250ccと500ccがあります。全体の構成は一緒ですが、エンジンが違います。250ccは単気筒、500ccは2気筒ということで、その分の車重が20kg違います。それが足つき、取り回しにどう影響するのか検証していきたいと思います!
バーハンドルで、起きた姿勢になるように手前に引けて上にあがっているような形なので、ハンドル周りは全く心配がないと思われます。シート高は790mmで、ふかふかしていますが、スポンジは意外と硬めで沈む感じではないです。
では早速またがります! 私は身長160cm、RSタイチさん公認の手足短めなんですが、後ろのシートがだいぶ低く、フラットなので、またがる時とっても楽ちんですね。思い切って足を振り上げなくてもスッとまたがることができました。左側に少しお尻をずらして座っていますが、左足はかかとまでベタ足で、右足はステップをしっかり踏めている状態です。
そしてまたがった瞬間、スゴくしっくりきていて、ハンドル位置が絶妙ですね。私の体型だとハンドルと乗車位置は近くないですが、ちょうどいい高さにあります。幅広すぎず、手前に引けているので、すっと手を伸ばしたらゆったりと構えられる位置関係です。
車重が192kgということで、またがった状態からバイクを起こしてみると、多少重さはありますが、重心位置が低い感じがします。どこでバイクを起こしているかというと、太ももの内側で起こしている感じです。右足はあんまり踏ん張れる程は届いてないんですが、腕の力はいらないですね。もっと軽いバイクを起こしたりしているイメージです!
では、足を踏み替えます!
バイクの真ん中に座ると、シート高が790mmなので、私の短足では両足はつかないです。足つきはほとんどつま先ツンツン。親指の母指球はまったくついていないんですが、やはりスゴく軽くて160kgぐらいの感覚ですね。オフロードっぽい車体なので、シート表皮がグリップするようなタイプになっていて、足を踏み変えるとギュッギュッと音が鳴ります。シートそのものはオフロード車と思うとそんなに細くはないですが、他のスポーツタイプのバイクと比べれば、細くて、全体的にエッジを丸く作ってあるので、足つきを阻害するようなものはあまりないです。
さて、問題はサイドスタンドが払えるかどうか。
小柄な方だとオフロード車は選びにくいよっていうのは、大体サイドスタンドが払えないのが大きな理由だと思いますが、CL500はめちゃくちゃ長いヒゲが付いております! これは開発の項目に絶対あったと思うんですが、ただ付けただけではない、小柄な人にもちゃんと届くようなヒゲになっていますね! 私の短足でもつま先が届きます。バネが若干硬いことによって出す途中からちょっとオートスタンドみたいにシュッって前に出てくれるので、なかなか丁度いい長さなんじゃないかなと思います。
まずはハンドルをしっかりフルロックに切って左右に回ってみますが、先程足つきでまたがった状態ではなんか軽いんじゃない? と思ったんですが、192kgですからやはり腕で起こそうとするとそれなりの重みを感じます。ホンダの技術者さんが言ってましたけど、ハンドルの切れ角もこだわったそうで、結構と切れますが、私の短腕でもしっかりブレーキを握れるぐらいの位置にあります。
ちょっと押し出してみます。大きなバイクって構えて押さないといけない物もありますが、自分が普通に立っているような状態で、スッと押せます。そしてバランスが取りやすい!
今度は、右にハンドルをフルロックして前に押してみると、横で立って歩いている状態で押せます。では右に切った状態でバックしてみますが、バックの方が楽かもしれないですね。ホイールベースが短いバイクを取り回しているイメージで、大きいバイクってちょっとでもバランスを崩すと取り回しづらかったりしますけど、バランスが崩れるところが全然ないです!
続いて、ハンドルを左に切ってバックしてみましょう。ちょうどタンクとシートの間ぐらいにタンクパットがあるので、そこに腰を当ててお尻で押しています。少し重さはありますが楽ちんです。ハンドルの切れ角はスゴく小回りする訳ではありませんが、切り返して向きを変える時に大きく角度を変えることができます。
ということで、500cc・2気筒・オフロード系のスタイルなのでそこまで重くなく、狭いところや取り回しなんかは十分やりやすいバイクということが分かりました!
【小林ゆきさん略歴】
横浜育ちのバイクブーム世代。バイク雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライダー&ライター。バイクを社会や文化の側面で語ることを得意としている。愛車は総走行距離25万kmを超えるKawasaki GPz900RやNinja H2など10台。普段から移動はバイクの街乗り派だが、自らレースに参戦したり鈴鹿8耐監督を経験するなど、ロードレースもたしなむ。ライフワークとしてマン島TTレースに1996年から通い続け、モータースポーツ文化をアカデミックな側面からも考察する。
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