公開日: 2023/08/31
更新日: 2023/09/12
自動車公正取引協議会は『2022年度消費者相談レポート』をまとめ、このほど発表した。それによると、総相談件数は前年比1.3%増の5171件(一般消費者からの相談は4157件/80.4%)。このうち、二輪車関係は330件(6.4%)で、内訳は新車関係が55件(16.7%)、中古車関係が175件(53.0%)、買取り関係が12件(3.6%)、整備関係が30件(9.1%)、その他が58件(17.6%)。中古車関係が半数以上を占める結果となった。
「定期点検整備付で購入したが、納車翌日にツーリングに出かけたところ、リヤブレーキから異音がして、自宅に着く間際には全く効かなくなった、本当に点検整備しているのか」
これは、自動車公正取引協議会(自動車公取協)がまとめた『2022年度消費者相談レポート』に載せられている消費者からの声。
もちろん、販売店も消費者もトラブルを起こしたり、苦情を言いたいがためにバイクを購入・販売しているという人はいない。しかし、それらは時として起きてしまうことがあるのが現実だ。では、どういうことに苦情が寄せられたり、問題が起きたりしているのか。消費者相談レポートは、それを知る有効な参考資料と言えるもの。今回は、同レポートにまとめられた相談内容のうち、二輪車関係のものを一部掲載するので販売や接客の際の参考として欲しい。
まず、四輪も含めた総相談件数だが、5171件と前年比で1.3%の増加。この中の4157件が一般消費者からのもの。また、5171件の6.4%に当たる330件が二輪車関係。2021年度が307件だったので、23件増加している。二輪車関係で最も多かった相談内容は中古車に関係することで、二輪車の相談件数330件のうちの175件と、半数以上の53.0%を占めた。
この中古車関係に寄せられた175件を分類すると、『機能・品質』が111件(63.4%)、『契約・取引方法』が32件(18.3%)、『キャンセル』が18件(10.3%)、『その他』が14件(8.0%)となっており、飛び抜けて『機能・品質』が高いことが分かる。
中古車関係における『機能・品質』に関しては毎年割合が高く、実際に2020年度以降を調べてみても、2020年度が112件(二輪車の中古車関係相談件数197件中の56.9%)、2021年度が85件(同158件中の53.8%)と、半数以上なのだ。ただ、2022年度は6割以上になっており、自動車公取協でも「過去5年間の中で特に高い割合である」とレポート内で触れている。
二輪中古車の『機能・品質』に寄せられた相談内容を分類すると、『不調・故障』が83件(47.4%)、『走行距離の疑義』が12件(6.9%)、『修復歴の疑義』が5件(2.9%)、『違法改造』が4件(2.3%)、『その他』が7件(4.0%)。『機能・品質』の中でも『不調・故障』が半数近くを占めている。
冒頭のコメントは、この『機能・品質』に寄せられたものだが、レポートにはほかにもコメントが掲載されているので、紹介しておく。
「定期点検整備付で購入したが、販売店にはバイク整備士がいないことが納車後に分かった。ヘッドライト等複数の不具合が見つかったのだが、販売店を信用できないので、別の販売店で修理し、修理費用を請求したい」
「納車直後から不具合が複数見つかり、何度修理しても直らない。キャンセルして、納車後に自分で取り付けた新品の用品等の費用を全額負担して欲しいと伝えたところ、キャンセルには応じるが、用品等は中古品としての価値でないと買取れないと言われ条件が合わない」
このほか、『契約・取引方法』『キャンセル』に関するコメントも複数掲載されている。また、中古車関係だけではなく、新車関係についても、複数のコメントが掲載されている。これらの中には、消費者と販売店のコミュニケーションが密であれば回避できたのではないか、というものもある。このようなレポートは結果だけを見るのではなく、内容をしっかりと把握することが重要だ。それが自店の販売や接客を見直すキッカケとなり、トラブルを未然に防ぐことにつながる。
この消費者レポートは、自動車公取協のホームページで閲覧できるほか、ダウンロードすることも可能となっている。
■2022年度消費者相談レポートへのアクセス自動車公取協ホームページ
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