公開日: 2025/08/13
更新日: 2025/08/18
2024年の二輪における新車・中古車の需要台数が明らかとなった(二輪車新聞社、全軽自協調べ)。新車の総需要台数は36万7924台(原付一種・原付二種は出荷台数、軽二輪・小型二輪は販売台数)。各クラス・各メーカーともに前年比マイナスが多かったが、原付一種とカワサキの小型二輪、カワサキの総合計が前年比プラス。中古車の需要台数(販売台数)は、小型二輪の全メーカーと軽二輪のホンダ・スズキ・その他が前年比プラスとなった。
36万7924台。これは2024年の二輪新車総需要台数。表1にもあるように、前年比ではマイナスが目立つ。
大きな落ち込みとなったのが、原付二種(以下、原二)と軽二輪の新車。両クラスとも2割以上の減少となっている。ただ、2クラスともコロナ禍以前の2019年と比べると、原二はやや増加、軽二輪はほぼ同等(グラフ1参照)。コロナ禍でバイク人気が高まったが、その反動での前年比マイナスという部分は強いようにも感じられる。
特に原二は、2023年の新車国内出荷台数が14万8646台と、2022年から約5割も伸ばしていた。バイクは毎年買い替えるようなものではないので、大きく増えたことによる影響というのは少なからずあるだろう。
それは軽二輪からも似たものを感じる。2020年から4年連続して7万台以上の需要台数となっており、それまでが4〜6万台弱だったので、明らかに2020年からの4年間は台数が増えていたのだ。そこから減少したとは言っても、2019年までの水準に戻った。2024年の数字だけで二輪離れが起きていると捉えるのはやや早計だろう。ただ、減っているのは事実。それを加速させないための策は必要だ。
原付一種(以下、原一) と原二には、今年、新基準原付という新しいカテゴリーができたので、今後の動きが読みにくいのは確か。それだけに、両クラスの動きには注意を払っておきたい。ユーザーがどのようなモノや情報を欲しているのか、新基準原付に関する問い合わせ状況はどうかなどなど、今までと違うと少しでも感じることがあるなら、その点は注意深く見ていくことが重要。新しいカテゴリーは新しい流れが生まれる要素にもなる。その流れに乗り遅れないためにも、今年や来年は例年以上にユーザーの言動にはチェックが必要。同様に、原一が17.9%増と好調だったのも、50ccの新車がなくなるという部分が大きいものと思われる。
小型二輪の新車需要だが、2023年から減ってはいるものの、3.4%のマイナスにとどめている。2019年と比べても2万台以上も多い。2022年のような10万台超の台数は、1世紀でも2022年だけ。そこを基準に置いてしまうと、2年連続してのマイナスという結果は悲観的にもなるだろうが、決して悪い数字ではない。だが心配なのは、表やグラフにはしていないが、今年上半期の需要台数は前年同期比で12.6%のマイナスとなっているところ。コロナ禍以前よりも多いと楽観視できる状況ではないので、小型二輪も動行に注意しておくべきクラスだ。
さて、中古車(軽二輪・小型二輪のみ)だが、軽二輪は0.8%の減少となったが、小型二輪は5.4%の増加。軽二輪はマイナスとは言っても、ホンダ、スズキ、その他はプラス。全体的に見ても減っているという印象ではない。小型二輪に至っては、全メーカーがプラスとなった。
コロナ禍で新車の需要が増えた。中古市場は新車の売れ行きがキーポイントのひとつ。新車が売れなければ、新しい年式の中古車も増えない。欲しいけど入荷待ち状況が数か月続き、すぐに買えない、という状況もあるが、ユーザーが丁寧に乗らない限り、基本的には年式の古さと程度は比例する。新車が売れるということは、中古市場に程度が良く年式の新しい車両が増えることにつながる。それだけに、減少傾向にある新車の需要は少々気掛かりではある。
だが、今年は前述した新基準原付のほか、ホンダの『E-Clutch』やヤマハの『Y-AMT』など新機構を搭載したモデルが相次いで発売されている。それらがユーザーにどう評価されるかが、今年の大きなポイントになる。
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