公開日: 2026/02/02
更新日: 2026/02/03
日本自動車工業会二輪車委員会(設楽元文委員長)は1月14日、報道関係者を対象に「第13回メディアミーティング」を開催した。メディアミーティングとは、自工会の中に組織された二輪車委員会が二輪メディア、一般メディアを対象に開催するもの。委員会には「電動二輪車普及部会」「二輪車海外部会」「二輪車国際法規戦略部会」「二輪車技術・基準調和部会」「二輪車企画部会」の5つの部会がある。それぞれが役割を担っており、業界全体の発展と市場環境の改善に取り組んでいる。
今回のメディアミーティングのテーマは「自工会二輪車委員会設楽委員長が2026年国内二輪市場の展望を語る」。設楽委員長が就任し1年が経過するが、同氏はこの間に展開した国内二輪業界の活性化に向けた取組みは、概ね計画どおり進められた、としたうえで、「鈴鹿8時間耐久ロードレース」の来場者増や「ジャパンモビリティショー」の成果について説明。また、昨年末に販売された新基準原付については、次のように語った。
「50cc原付の生産が終了し、昨年4月の道路交通法改正により、50cc超〜125cc以下で出力4kW以下の車両が原付免許で運転可能となるなど、新たな時代を迎えた。新基準原付の普及を図りつつ、原付二種を含めた需要の推移を注視していく」
2025年の国内総需要は36万1990台で、排気量別では軽二輪のみが約108%と前年伸張となり、他はわずかに減少した。今年は50cc原付の生産終了の影響は少なからずある、と予測。また、今後は「総需要」だけでなく、保有台数やアフターマーケットなどの観点も含め業界全体を捉える視点が求められる、と語った。
その後、テーマは2025年の国内二輪市場に移り、排気量別の出荷・登録実績や保有台数の説明、スポーツバイク市場やコミューター市場に関する説明が行われた。また、バイクの日の来場者アンケートの結果や「BLFin埼玉・おがの」の開催結果について報告を行った。
続く2026年の展望については、二輪車委員会活動の基盤として以下の4つを課題として掲げた。
・「事故ゼロの推進」
・「カーボンニュートラル達成への貢献」
・「購入・利用環境の整備と社会・他モビリティーとの共生」
・「快適・楽しさの訴求」
これらには11の実施施策があり、これを基軸に活動している。現段階における国内市場については、「グローバルな視点で見ると、コミューターを中心とした発展途上にあるマーケットと、先進国市場で安定化したマーケットに二分している」と解説。そのうえで、「日本はすでに安定型マーケットに変化していると見るのが妥当。そこで必要なのは、やはり需要の創造。新たなユーザーが入ることであり、趣味材としてバイクに乗ることの価値観を享受したり、あるいは生活クオリティを向上したりと、そうしたところにつなげる。こうすることで二輪車としてのプレゼンスは、マーケットの中でも大きく高まる。ボリュームではなくクオリティとして扱う。これを『創造』と『活性』という言葉で伝えた」と力説した。
『駆』を選びました。今年は丙午の年。オートバイは馬にちなんだ表現をされるので、非常にマッチした年と言えます。心の中に疾走感を持って駆け巡り、バイクが『自分の心に占める割合』が増えると、ライダーの心の琴線に触れる。そんな思いから選びました。その疾走感が伝わり、クオリティの高い時代性を持った活動ができればと思います。
Q. 新基準原付の販売を受け、価格問題も含めた原付二種モデルのあり方についてどう考えるか。また、新基準原付購入後、小型限定普通二輪免許を取得した場合には、出力制限を解除しピンクナンバー化したうえで二種モデルとして乗車できるようにするという方法も考えられる。これについての見解は。
A. 原付一種は通勤・通学や買い物など、日常生活に密着した用途。新基準も同様に生活の足としての役割を担う。二種は保有台数が約200万台あり、通勤通学以外、趣味で乗る人も多いため、少し用途が違うが、従来のスタンスにバイクの変わりはない。価格については世界標準としての取組みがある。標準価格を考慮したうえで、コスト面を含めできるだけマーケットの水準に即した価格での提供ができるよう努力する。SDV化(車両の機能をソフトで制御・更新する技術)は技術的課題。必ずその時代はやってくる。課題として認識し取り組む。
Q. カーボンニュートラルに対する取組みについて教えてほしい。
A. 共通の取組み(開発)は現段階ではない。プロセスの中にはお客様にとって買いやすく普及しやすいモノとする考えがある。その部分でのマルチパスウェイ、これに各社が取り組んでいる。自工会では「7つの課題」にカーボンニュートラルを取り上げている。自工会としてこれだ、というモノを決めることはないが、プロセスとしてはマルチパスウェイという中での取組みとなる。
Q. 新基準原付の投入で50ccモデルの生産が終了した。これについて、社内で変化はあったのか。
A. 開発現場は各社ともビジーな状態。原付だけを開発する部門は各社ともないだろう。125ccとしたのは、世界標準のモノづくりにおいて、良い製品を適正な価格でユーザーに届けるためには、50ccでは実現が難しいため。社内の雰囲気は変わらずフラットな感じで仕事をしている。カテゴリーが変わったからモチベーションが変わることもない。いまは様々な開発要素がある。電動ハイブリッド、水素、そしてマルチパスウェイ。二輪・四輪問わず、開発の目はそこに向いており資源シフトが行われている。そう理解していただきたい。
Q. 小売りの現場では売れなくなってきている、という声を聞く。軽二輪と小型二輪の保有台数は伸びているという説明があったが、このクラスは趣味利用が多い。今後の推移をどう見ているのか。
A. 今後は完成車だけでなく用品需要やツーリングなどに関連する需要が発生するなど、市場がさらに増えると思う。今年は50ccがなくなった影響が出るのは確かだが、政策面において販売店とも連携し普及活動を促進し活性化に努めていく。
人気記事ランキング