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3分でわかる中古車ビジネスの“ツボ” 「顧客体験」は「コト・トキ消費」の前振り。ここでの成否がカギ

公開日: 2026/02/06

更新日: 2026/02/18

バイクショップに置き換えると、店が主催するイベントがどれほど楽しくても、スタッフの話し方にトゲがあったり、対応がいい加減だったりすると、すべてがスポイルされてしまうことになる。つまり、魅力的なイベント(コト・トキ消費)を企画し、そのバックボーンとなる顧客体験をストレスなく整えることがポイントとなる。

求められるのは、「体験と信頼」を売る場所への転換

求められるのは、「体験と信頼」を売る場所への転換
求められるのは、「体験と信頼」を売る場所への転換

最近、頻繁に「顧客体験」という言葉を聞く。これはCX(カスタマー・エクスピリエンス)と言われるもの。

バイクショップに例えてみると、ユーザーがそのショップの存在を知り来店。そこでスタッフと会話が始まる。これが接点の端緒。気に入った車両があれば商談に移り、条件面での問題をクリアすれば成約となる。その後はメンテナンスや整備・修理、車検など、アフターフォローへと移行する。これが一般的な流れだが、こうしたアクションを通じて受ける感情や印象、満足度、これらプロセス全体の視点で見たものが顧客体験だ。

簡単に説明すると、「高級ブランドショップとその雰囲気」の関係。どんなに商品が魅力的でも、店内にゴミが落ちていたりフロアが汚れていたりすると幻滅する。バイクショップに置き換えると、店が主催するイベントがどれほど楽しくても、スタッフの話し方にトゲがあったり、対応がいい加減だったりすると、すべてがスポイルされてしまうことになる。

つまり、魅力的なイベント(コト・トキ消費)を企画し、そのバックボーンとなる顧客体験をストレスなく整えることがポイントとなる。

では、この顧客体験と「コト消費・トキ消費」との関連性はどうか。現在、徐々にではあるが、車両供給が落ち着きを取り戻しつつあるが、こうした状況を受け今後、二輪販売店は「車両やパーツを販売する場所」から、「体験と信頼を売る場所」への転換が求められるようになるだろう。

最近は顧客との接点の多様化や複雑化、さらには「モノ消費」から「コト消費」への価値観の変化により、顧客体験の重要性は従来以上に高まっている。ユーザーは製品であるバイクやサービスそのものだけではなく、それを通じて得られる「経験」「体験」に価値を見出す傾向が強まっているのだ。

かつてバイクの全盛期と言われた1980年~1990年代にかけては、バイクのスペック(動力性能)や燃費、そして販売価格が最大の購入ポイントだったが、いまは大きく様相が異なる。

バイクを購入した後、バイクのある日常がどのような変化をもたらし、どれだけ楽しいものになるか、というところに価値を見い出すのだ。つまり、ライダーに「豊かな時間」を提供し、充実したバイクライフをより深く楽しむための、欠かせない要素になり得るかどうかが問題と言える。ここでは顧客体験の先にある「コト消費」を具現化するためのポイントについて、NGシーンとOKシーンを挙げてみる。

『NGシーン』
「足まわりは純正で○○が組まれているので、コーナーリング時の安定感は抜群です。また、トルクが太いので体が押し出されるような加速感は素晴らしく、信号待ちからの発進加速では、まず負けませんよ」

『OKシーン』
「とにかく釣りやキャンプツーリングに最適です。トップケースを装着しても見た目を損ねることはないし、何よりも荷物が多くても車両の安定感は抜群。このバイクが相棒なら、より一層、楽しめます」

ポイントは、ユーザーの頭の中に、そのバイクに乗ってキャンプの目的地に向かう姿やキャンプサイトに張ったテントの傍らにバイクがあるシーンに同化している様子などを頭のなかで映像として想像させることにある。

所有の喜びを「体験」として継続することの重要性について、販売店Aは、自店での経験に基づき次のように話す。

「バイクを買っていただいた後にもメンテや整備、カスタムなどでお付き合いをしていただけるよう色々と働きかけを行いますが、その時に行う業務について、私は決してそれを作業とは思わずアップデート(更新)と考えます。例えばマフラーを交換するとします。その際、なぜ、そのマフラーがいいのか、どのような変化があるのか、について様々な角度から話をし、ワクワク感を共有するのです。軽量化やエンジンレスポンスの改善、吸気効率の向上といった、ごく普通の製品説明に終始するのではなく、このバイクに乗るとこんなふうに変化し、こんな発見があり、こんなふうに感じられる、など、お客さんが頭の中でイメージしやすい言い方をします。カスタムしたバイクに乗っている自分を想像するんですね。明らかに表情が変わります。最終的なゴールは、ウチに来ること自体が楽しい、と感じてもらうことです」

一見、どの店でも行っていることのように思えるが、ここには決定的な違いがある。それは、販売店Aも語っていたように、ユーザーにイメージさせること。もちろん、多かれ少なかれイメージはするものだが、それをより強力なものとするためのプッシュである。

繰り返しになるが、「コト消費」は、商品そのものを意味するのではなく、それを通じて得られる体験や経験、感動といった無形の価値(コト)にお金を払う消費行動を指す。一昨年あたりから、ツーリンの重要性を再認識しはじめた販売店が増えている。このツーリングこそが「コト消費」の代表例。難しさはないだろう。顧客体験と対で意識し取り組むのがいいだろう。

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