公開日: 2023/02/01
更新日: 2023/12/14
中古バイクを購入する際、ユーザーはどこを見て、購入の有無を決めているのだろうか。もちろん、それは人によってまちまちで、『ここ』という絶対的なポイントがあれば誰も苦労はしない。もし、『お客さんはこういうところをチェックしている』というのが何となくでも分かれば、販売のヒントになりうるのではないだろうか。 例えば、若い世代にも人気のヤマハ『YZF-R25』。
BDSバイクセンサーで検索すると、434台がヒットする(1月12日現在)。この中で、欲しい年式・欲しいカラー・予算の範囲内であれば、何でも良いという人はまずいない。何かしらの判断基準を持って車両をチェックするのだろうが、バイク歴がそれなりにあり、何台か乗り継いできた人なら自分なりの基準やチェックポイントがあるだろう。しかし、バイク歴が浅い場合、その基準やチェックポイントをどこに置いておけば良いのか分からないという人も少なくない。
そうなると、バイク歴の浅い人は、どこで中古バイク選びの基準となる情報を得ているのか。考えられる情報源の一つは、ネット。試しに検索サイトで『中古バイク選び ポイント』を調べると、いろいろなページがヒットする。
それらを見ていくと、よく目にするのが『走行距離』『エンジン』『足回り』『フレーム』『修復歴・事故歴』『現車確認』『信用できるお店で買う』などだ。これらのポイントは、中古バイク選びに関して書かれているページのほとんどに出てくる。内容に関しても大同小異で、いくつかの記事を読めば、「気をつけるポイントはここ」というのが、だいたい掴める。それだけに、ネットで中古バイク選びの情報を探した人なら間違いなく目にしている情報で、バイク選びの参考にしている可能性が高いと言えよう。
ネットの情報は誰でも見られるもの。当たり前の話だが、中古バイクを探している人が見ている情報と同じ情報を、中古バイクを販売している店側も見ることができる。つまり、お客さんがどういう情報を見て店に来ているのか、ネットをチェックしておくことでおおよその見当をつけることが可能となる。ということは、やり方によってはお客さんが求めることの『先回り』もできるのだ。
では、『先回り』とは、どういうことなのか。先ほどのポイントにもあった『エンジン』を例に取ると、「異音がしているかチェック」という情報があった場合、どういう音が「異音」なのか、バイク歴の浅い人にエンジン音を聞かせたところで判断がつかないだろう。比較対象となる音の経験・知識がないからだ。
これは余談だが、乾式クラッチの『RGV250ガンマ』の音を聞いた初心者ライダーが、「このバイク、大丈夫?」と真顔で言っているのを見たことがある。初心者の中には、そういう人もいるのが現実。そのような人に対しても、同じ車種が店に2台あったなら、2台ともエンジンをかけて音を確認してもらう。これならば、バイクの知識があろうとなかろうと、その場で2台の音を聞くことで異音の有無が判断できる。
これが『先回り』だ。何が求められるかを想定し、それに対する最適解や比較材料を用意しておく。ネットの情報は、そのための参考資料にもなる。
実際、今まで取材をしてきた中には、ネットの情報を参考にしてチェックシートを作成している店もあった。その店では、ネットの情報に、店で得たこれまでの経験も加え、「ウチでは特にここを厳しくチェックしている」ということを伝え、高品質な車両を揃えていることをアピールしていた。
お客さんとしても、ネットで見た情報がチェックシートになっていて、店が予めそこをチェックしていたら安心感が違ってくるだろう。その店では、チェックシートを活用し始めてから若い世代の成約率が高まったという。
ネット社会では、お客さんと店が同じ情報を得られる。どういう情報がネットに載っているのか、それを知っておくことはプラスに必ずなる。それだけに、時間のある時はまめにネットをチェックしておくことが大切だ。
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