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小型二輪、新車国内出荷台数、販売台数ともに大幅増! 軽二輪は前年比マイナスながらも6万台をキープ

公開日: 2023/04/25

更新日: 2023/05/02

2022年における国内メーカー4社の新車国内出荷台数が36万8793台となったことが、分かった。前年比では2.6%の微減ながら、小型二輪が30%のプラスとなったほか、軽二輪も6万台の大台をキープした。

2020年の出荷台数と比較すると倍以上となった小型二輪クラス

小誌2月号に掲載した2022年の新車国内出荷台数(以下、出荷台数)は速報値だったが先頃、確報値(二輪車新聞調べ)が発表された。速報でもそうだったが、なんといってもインパクトが大きいのは、いわずもがなの小型二輪。2022年の出荷台数は7万5616台で、前年比30.0%もの増加。2021年の出荷台数においても、前年比58.4%のプラスと驚愕の伸びを見せており、そこからさらに3割も上乗せしているのだ。2020年の出荷台数が3万6712台だったので、それとの比較なら206%と、わずか2年で倍以上にもなっている。小型二輪の出荷台数が7万台を超えるのは、1998年以来のこと。21世紀では初めてだ。

全軽自協(全国軽自動車協会連合会)発表の新車販売台数でも、小型二輪の好調さは明らかだ。表1がそのデータだが、販売台数10万0889台と、10万台超えで前年比20.7%のプラス。2021年も前年比24.0%のプラスで、2年連続して2割以上も増加している。

2023年はどうなのかというと、全軽自協では月ごとの販売台数データを発表しているが、1月、2月とも前年同月比でマイナスとなっている。1月と2月の合計が1万0853台と前年同期比で18.6%のマイナス。さすがに2年連続して2割以上増加しているので、今年は今のところ足踏み状態といった感じだが、それでも2021年の同期比では2850台も多い。

全軽自協では、1999年からの毎月の販売台数データを見ることができるが、2月までのデータで1万台を超えているのは、2023年を除くと2022年のみ。今年は前年同期比ではマイナスだが、決して好調さに影が差しているのではないということが分かる。もちろん、前年同期より2割近く落ちているので、1万台という数字は手放しで喜べるものではないが、このクラスは趣味で楽しむユーザーが大半であるため、1万台超えが連続しているという現実は、趣味としてバイクを楽しむユーザーが定着してきていると考えられる。

バイクのインフルエンサーとなっているモトブロガーの動向にも注目

写真提供:バイク女子 「nico ringo」さん
写真提供:バイク女子 「nico ringo」さん

好調な小型二輪に対して、苦戦したのが軽二輪と原付二種。軽二輪の出荷台数は6万0088台。前年比10.5%のマイナスだ。ただ、2割弱の減少とは言っても6万台はキープしており、これで軽二輪クラスは2020年から3年連続して6万台以上となった。これは早い話、コロナ禍以降は6万台以上の出荷台数が連続しているということ。

ツイッターやユーチューブなどのSNSで、女性モトブロガーをよく見かけるが、その動画や投稿で頻繁に目にするのが、ホンダ『レブル250』、ヤマハ『YZF-R25』、カワサキ『Ninja250』といった軽二輪クラス。車重が軽く、足つき性も悪くなく、パワーもほどよいバイクが多いのがこのクラスの特徴で、女性需要には、そうした一定の傾向があることが分かる。

肌感覚だが、ここ数年で女性モトブロガーは確実に増えている。コロナ禍以降のバイク人気が主たる要因であることは間違いないが、マスクを着用することによって完全な顔出しをすることなく情報発信でき、それがモトブロガーになるハードルを下げている部分が多少はあるように思う。だが、3月13日からマスクの着用は個人の判断に委ねられるようになり、5月8日からは新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類へと引き下げられる。モトブロガーがインフルエンサーとしてバイクを訴求している部分が多分にあるだけに、マスク着用の緩和が彼女たちの活動に影響するのか、しないのか。そこも、今後のバイク市場の動きにおいて、少し気になるポイントだ。

話を戻すが、出荷台数で最もマイナスが大きかったのは原付二種。昨年の出荷台数は10万1749台と、前年比19.0%の減少。このクラスに限らず、供給の遅延は完全には解消されていないが、10万台の大台は維持。この台数はほかの年と比べてもそう悪くはない。小型二輪もそうだが、2022年がここ数年では高い数字だったのだ。「前年比マイナス」と文字で見ると良い印象はないが、前年が高ければマイナスになるのは、ある意味仕方がない。それでも、合計で36万台以上というのは、昨年を除けば2015年以来のこと。

前段でも触れているが、徐々にコロナ禍以前の日常が戻ってきている。そのような中、バイクに注目してもらい続けるためには、バイクの持つ魅力や利便性を提案し続けることが大切。コロナ禍以降、プラス方向に向いたベクトルをキープできるかどうかは、この1~2年にかかっている。

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