公開日: 2023/07/31
更新日: 2023/08/09
二輪車の表示に関する改正規約と施行規則が6月9日に施行された。自動車公正取引協議会では、「二輪自動車業における表示に関する公正競争規約および同施行規則改正(案)」について、消費者庁や公正取引委員会に認定・承認を申請していたが、本年4月27日付で改正規約・規則が認定・承認され、6月9日に施行した。
改正のポイント
❶「年式」の名称を「初度登録(届出)年」の名称に変更
❷「使用歴」として、「自家用」「レンタルバイク」等の表示を追加
❸ 電動バイクの「燃費」は「一充電走行距離(キロメートル)を表示
❹ 不当表示の禁止規定に「冠水車」の規定を追加
では、改正ポイントについて、具体的に見てみよう。
1.「年式」の表示
現行の規約では、「年式」イコール「初度登録(届出)年」と決められているが、「モデルイヤー」であると誤解されるなどのケースが散見されていた。これを改めるため、「年式」を「初度登録(届出)年」に変更し、記載内容を明確にした。
2.「使用歴」の表示
現行規約には、「使用歴」に関する表示規定はなかった。これを受け、今回の改正から「使用歴」(「自家用」、「営業用」、「レンタルバイク」等)の表示を新設した。これについては、取り扱い店の増加に伴い、レンタルバイクとして使用していたバイクを中古バイクとして販売する際、「使用歴」として「レンタルバイク」と表示し、ユーザーに知ってもらうことを想定している。ただし、広告表示においては、「自家用」の表示の省略は可能となった。
3. 電動バイクの「燃費」の表示
電動バイクの「燃費」に関する表示規定は、現行の規約には規定されていない。「電動バイク」の「燃費」については、1回あたりの充電を表す「一充電走行距離(キロメートル)」を表示する。
4. 冠水車の表示
車両が冠水してしまう被害は実際問題として存在する。けれども「冠水車」について、不当表示の禁止規定には、明確に規定されてはいなかった。近年、水害が増加しており、「冠水車」の販売自体が社会問題となっている。そもそも「冠水車」は販売に適するものでないことを周知するとともに、「冠水車」ではない等の虚偽の表示や説明を行い販売した場合はもちろん、「冠水車」であることを表示しなかった場合も不当表示に該当することを明確化している。
「禁止規定への追加は、『冠水車』と知りながら仕入れ、騙して販売するような故意による販売行為を抑止するために規定を新設したものとなります」(前出・冬樹さん)
改正規約では、「冠水車」自体の考え方として、二輪車については、冠水したことが明らかな車両で冠水を原因とした不具合が発生した、または、その可能性のある車両を「冠水車」として扱うこととしている。「冠水車」に関する不当表示については、走行距離の不当表示と同様、初回から「厳重警告」や「違約金」を科すことができるよう規約違反措置基準を改正(厳罰規定を新設)した。
※故意による販売(知りながら仕入れ、だまして販売)の抑止力として厳罰規定を設けるもので、過失によるものに直ちに厳罰を科すという趣旨のものではない。
以上が改正二輪車公正競争規約の骨子である。詳細内容については、自動車公正取引協議会二輪車業務部まで。
TEL:03-5511-2113
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