公開日: 2025/04/24
更新日: 2025/04/28
自工会は3月19日、日本自動車会館で記者会見を開催した。会見では、米国の通商政策への対応や「7つの課題」などに関する取り組み内容について説明。さらに今年10月に開催されるJAPAN MOBILITYSHOWについて抱負を語った。
会見の冒頭、日髙前副会長の退任を受け、新たに設楽元文氏が自工会副会長に就任したことを発表。同氏より、「7つの課題」における「クリーンエネルギー」と「データ連携」、二輪車委員会を担当していることが伝えられた。続いて片山会長が取り組み内容について説明を行った。
国際情勢の不確実性が急速に増しているが、自動車ビジネスにおいても、将来の投資環境を予見しにくい状況を迎えている。トランプ政権が検討している自動車への25%の追加関税が日本、メキシコ、カナダからの輸出車に適用された場合、日米双方の経済に確実に悪影響を及ぼす。
こうした状況を受け、片山会長は自動車産業の変革期である重要な時期において、日本と米国間で強固で開かれた貿易体制が維持されることは、550万人の日本の自動車産業にとっては極めて重要、と説明。さまざまな機会を通じて、日本の自動車メーカーによる継続的な投資や、雇用創出による米国の自動車産業への貢献に関するアピールを行うと同時に、追加関税の回避に向けた理解活動を行う、とした。また、会見当日、経済産業省と米国政策への対応について協議。引き続き官民で連携し対応していくことを明らかにした。
年明けに発表した「自工会ビジョン2035」では、自動車産業としての取組みや考えに対し、社会全体からの理解を深め、さらなる応援をいただきたいという思いの下、我々が目指す未来の姿を「7つの課題」とした。これをはじめとした活動を、他産業・政府との連携を深めつつ、中長期的な視点で推進することを発表した。
また、10月に開催される「JAPAN MOBILITYSHOW」についても言及。今年は、「日本の未来にワクワクできるイベント」を目指し、オールジャパンで取組む。モビリティの未来の姿をはじめ、過去から継承されてきたクルマやバイクが持つ魅力に共感が得られるプログラムを用意する、と期待を寄せた。
Q. 関税に関する経産省との協議では、生産調整なども含めた話をしたのか。
A. 日米の通商が不安定な状態。4月2日の関税回避は難しい状況にある。武藤大臣が行った時、信頼関係の構築をしている。それを踏まえ、今後も官民挙げて日本の自動車会社がアメリカの自動車会社として活動しているという実態について、しっかりと伝えていくこと、もし25%の追加課税が適用された場合、仮定の話として何を考えるべきか、次善の策として何ができるかを話した。これは個社として具体的に検討しているものではない。あくまでも550万人の雇用と輸出拠点としての自動車産業の在り方を守る上で何を考えていくかにおいて考える。決して4月の何日かに工場が止まる、といったことを言っているわけではない。
Q. 二輪車の位置づけについて聞きたい。新車購入者の年齢は年々高まり、成熟したユーザーが増えている。だが、いまだに四輪や自転車の劣後に置かれ、政策のなかでも二輪は忘れられがちだ。日本のバイクの未来、あるべき姿をどう描いているのか。
A. 日本では世界を代表する4メーカーが存在する。二輪需要自体は、一昨年は40万台を切ったが、自工会が示している産業政策ロードマップ2030に掲げた政策課題に取り組む。カーボンニュートラル、安全安心を含めたテーマに取り組むなかで、バイクユーザーはもちろん、一般の人にとってもあこがれの存在でありたい。中高年ライダーがマナーを守りカッコいい、クールだ、という印象による二輪車需要の底支えが大切。最終的には二輪車文化において欧米に対してもリーダーとなるべきポジションを示せるような、文化圏としての位置づけを確保していくことが重要なテーマになる。
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