公開日: 2025/11/25
更新日: 2025/12/02
10月29日から11月9日までの12日間(プレスデー含む)に101万人が訪れた『JAPAN MOBILITY SHOW 2025』。この記事では、ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキの国内4メーカーのプレスブリーフィングの様子を紹介する。
二輪車においても、電動化を通じて今までにない新しい価値を生み出していく
ホンダは「夢」を本気でカタチにしてきた企業です。今年のホンダブースには、陸、海、空、そして宇宙領域に至るまで、幅広いモビリティを展示している。実際にモビリティに乗って、触れていただき、ホンダの描く未来に“ワクワク”を感じていただくことを目指しました。
2050年に「ホンダの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラル実現」という高い目標を掲げて取り組みを進めています。現在、電動化を取り巻く市場環境は不透明な状況が続いていますが、長期的にはEVシフトが進むと考えています。来る電動化時代に魅力あるEVをお届けするために、着実に準備を進めています。
電動二輪車では、「EV OUTLIER Concept(イーヴィーアウトライヤー コンセプト)」を世界初公開しました。このモデルは、既存の延長線上ではなく、2030年以降の二輪車の新しいあり方を提案するコンセプトモデルです。電動車ならではのレイアウトの自由度の高さを生かし、前後両輪にインホイールモーターを採用することで、ダイナミックでロープロポーションなスタイルを実現しています。ホンダは二輪車においても、電動化を通じて今までにない新しい価値を生み出していきます。
ホンダは二輪車、四輪車だけでなく、総合モビリティカンパニーとして陸、海、空にわたる多様なモビリティを提供しています。耕うん機や船外機といったパワープロダクツや小型ビジネスジェット機の「Honda Jet」など、人々の生活の可能性を広げる、さまざまなモビリティを提供しています。さらに、次世代のモビリティとして、ラストワンマイルを手軽に移動できるマイクロモビリティや、空の移動を身近にするeVTOL(イーブイトール)など、「自由な移動の喜び」を広げていく挑戦を続けています。そして今、Hondaの挑戦は、宇宙へと広がっています。
ホンダはグローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams How we move you.」の理念のもと、夢や情熱を持った従業員一人ひとりが、Hondaの未来を切り開き、他にはない価値を生み出すことを目指して、挑戦を続けています。
「TRICERA proto」は「操る感動」を実現する研究開発モデル
ヤマハは今年、創立70周年を迎えました。創業者の川上源一は、人や社会に「生活を楽しむことを拡げたい」という強い信念を持つ人物でした。人々の「人生を楽しむ意欲」を掻き立て、挑戦する心を後押しする。当社の歩みは、製品やサービスを通じてその実現に取り組んできた70年です。ヤマハ発動機は〈感動創造企業〉。これからも、人々の「楽しむ意欲」を刺激する存在であり続けたいと願っています。
私たちはいま、カーボンニュートラル実現に向けて、全方位の取り組みを加速しています。自社工場におけるカーボンニュートラルの達成目標を前倒しし、製品への対応には、マルチパスウェイで研究・開発を進めています。今回も「楽しさ」と環境性能を両立するバッテリーEVや、プラグインハイブリッド、シリーズパラレルハイブリッド、水素エンジンコミューターなど、アプローチの一端をご覧いただきます。
当社製品の特長の一つに、意のままに操る喜び、それを実現する軽快なハンドリング特性があります。世界中から「ハンドリングのヤマハ」とご支持いただくその操縦感覚を、オープンエアの解放感に包まれながら体験できるモビリティ「TRICER Aproto」。これは三輪操舵の機構とEVパッケージの組み合わせで「操る感動」を実現する研究開発モデルです。「TRICERA」は、手元の操作で後輪の向きを切り替えることができます。後輪がこれほど積極的に操舵に関与する構造は、既存のロードカーにはありません。三輪操舵がもたらす、ワクワク・ドキドキするような操縦感覚。それをとことん楽しむためにはドライビングの習熟も必要ですが、そのプロセスさえ「楽しい」と感じていただけるモビリティを目指しています。
先ほどからこちらの存在が気になっているかと思います。「MOTOROiD」の開発プロジェクトは、人とモビリティの新たな関係を探るため、その概念実証を目的にスタートしました。2017年には自立してライダーに歩み寄る「MOTOROiD」を、また前回のモビリティショーでは、「MOTOROiD2」をご覧いただきました。あれから2年。開発プロジェクトは、新たな歩みを始めています。知能化技術によって、自ら成長するモビリティ、「MOTOROiD:λ(ラムダ)」です。寝かせた状態から起き上がり、そのまま自立して静止状態を保つ。さらに自ら前進し、その場で旋回する。8の字を描く。ライダーとともに経験を重ね、学習していくことで、やがて社会性や協調性をも身につけて、心までも通い合うパートナーに成長していくことでしょう。
カーボンニュートラルに向けた適所適材を考え「ワクワクの、アンサー。」を探求
今回のスズキの出展テーマは『By Your Side』です。創業者の鈴木道雄は「常にお客様の側に立って発想する。お客様が欲しがっているものなら、どんなことをしてでも応えろ。頑張ればできるもんだ」と語っており、今もその想いは受け継がれ、私たちは100 年以上お客様とともに走り続けています。
その想いが「By Your Side」には込められており、今年のスズキブースでは、お客様が出展物一つひとつに「By Your Side」をご体感いただける展示や演出とし、お客様一人ひとりに、「あなたに、ワクワクの、アンサーを。」をご提案いたします。いまモビリティ業界は、気候変動、人口減少・高齢化による人手不足、モビリティのAI 化など、大きな変化の渦中にあります。しかし、どんな時代でも、あなたの想いに寄り添って、世界中のあらゆる暮らしの悩みを解決する、という私たちの答えは変わりません。それが「By Your Side」です。
スズキでは、「By Your Side」の姿勢で、お客様一人ひとりに適した方法は何か、カーボンニュートラルに向けた適所適材の取り組みとは何かを考え、お客様にとっての「ワクワクの、アンサー。」を探し続けます。それぞれの国、地域のエネルギー事情等に応じて、EVはもちろん、CNGやCBG、FFVなど、マルチパスウェイでのカーボンニュートラルの実現に引き続き挑戦します。
今回展示するスズキの製品には、『ワクワク』、『元気』、『個性』などお客様一人ひとりに寄り添う新しいモビリティ社会の実現に必要な要素をたくさん詰め込みました。新しいモビリティ社会はまだ始まったばかりです。これからもスズキグループ全員が熱い想いをもち、世界中の「あなたに、ワクワクの、アンサー」で寄り添い続けます。
「650-W1」が無ければZやNinjaは生まれていなかった
カワサキブースのテーマは「伝統と革新」です。私たちは伝統と革新が相反するものではなく、表裏一体だと考えています。今日はカワサキの伝統と、そこから生み出される革新についてお話します。
まずは川崎重工グループの伝統と、グループの力を結集して取り組んでいる革新について。川崎重工グループのはじまりは、1878年まで遡ります。東京築地で創業者である川崎正蔵は造船所を開設しました。船舶から始まり、その後鉄道車両、航空機、そしてモーターサイクルやジェットスキー、オフロード四輪車などを送り出しました。陸海空のモビリティとともに、人々の暮らしと未来を作ってきたのがカワサキです。
そしていま、川崎重工グループの140年を超える伝統をもとに取り組んでいるのが「つくる・はこぶ・ためる・つかう」という水素サプライチェーンへの挑戦です。カーボンニュートラルの実現とエネルギーの安定供給という2つの課題を解決する水素エネルギーがもたらす革新の未来に向かい、川崎重工グループの総合力を結集して取り組んでいます。
1965年、第12回東京モーターショーでデビューしたのが「650-W1」通称ダブワンです。Wが無ければ、ZやNinjaは生まれていなかった。このダブワンからカワサキの大型モーターサイクルの歩みが始まりました。当社は今年2025年~2026年にかけて、1年間をWブランド60周年のアニバーサリーイヤーとして、その魅力を発信してまいります。ダブワンから6年後の1972年、究極を意味する「Z」を関したモデルが生み出されました。「900Super4」、「Z1」の愛称で今もライダーの憧れを集めています。その伝統を引き継ぐのが「Z900RS」です。Z900RSは2018年のデビュー以来、ロングセラーとして多くのお客様にご支持いただいています。その理由は、伝統のZスタイリングと現代のテクノロジーが融合することで生まれた、走る楽しさ、操る喜びにあると考えております。
本日、世界で初めてその新機種をお披露目いたします。その後ろのものでございます。デザインは大きく変わっておりませんが、中身は大きく進歩しています。2026年モデルでは、電子制御スロットルバルブ、クルーズコントロール、IMUを活用したABSスマートフォン接続など、ライダーサポート機能を大きく拡充しました。また、お客様の好みに合わせた「SE」「CAFE」のバリエーションもご用意しております。時代を超えた憧れをぜひお楽しみください。
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