公開日: 2025/12/10
更新日: 2025/12/10
今年5月、国内初となるカワサキプラザ認定中古車専門店の『カワサキプラザCPOM 東京南』がオープンした。それから半年が経過したが、この間、カワサキは様々な検証を行ってきた。新車販売との相違点や同店舗の果たす役割、今後の展開などについて聞いた。
カワサキプラザCPOM東京南(以下、CPOM東京南) の『CPOM( シーピーオーエム)』は、レクサスCPOと同じ『Certified Pre-Owned(サーティファイド・プレオウンド= 認定中古車)』に、そこにモーターサイクルのMを足したもの。『Certified Pre-Owned Motorcycle』、略して『CPOM』。つまり、カワサキプラザ認定中古車専門店ということ。
カワサキプラザが本格的にスタートしたのは2017年(テストケースとして2016年に大阪鶴見店がオープン)で、今から8年前のこと。カワサキプラザというと新車のイメージが強いが、需要も一巡、二巡し、初めて購入したバイクから新たな新車へと乗り換えるユーザーは年を追うごとに増えている。
「プラザ開始当初はお客様から提供していただく、履歴のしっかりとした中古車を次のお客様に渡せる窓口がありませんでした。また、お客様のニーズの多様化により中古車のご要望も増えている。このことから、次の一手として、カワサキプラザネットワークで培った安心と安全をキーワードに、何の心配もなく中古車をご購入いただける『認定中古車』の仕組みを開発しました」(CPOM東京南)
つまりCPOM東京南は、その実験店舗でもあるのだ。認定中古車制度が導入されたのは2020年。現在の認定条件は、別表の通り初度登録年から6年未満、走行2万km未満などを満たした車両。それに加えて、距離無制限で1年間保証を付帯、1年間無料のロードサービス(2年目以降は単年度更新)、新車時から全ての法定点検実施済み車両など、安心・安全の提供。さすがに、認定中古車と謳うだけあり、ハードルは高い。要は「プラザクォリティの提供」という意味だ。
「当店で扱うのは事故歴のない車両だけ。初めてバイクを買うというお客様でも、安心してカワサキプラザお墨付きの厳選車両を購入して乗っていただける。それが認定中古車です」
走行距離も基準では2万kmになっているが、同店では、中には数百km、走行距離の多いものでも3000〜4000kmほどで、年式も古くても2022年くらいまでの新しいものを中心に取り揃えている。
CPOM東京南は、オープンから半年ほどだが、これまでの間にも中古車販売ならではの問題があったという。
「カワサキプラザには何坪で何台と、置く台数に規定があります。オープン当初はそれに沿うように、展示車両の間隔を広めにとっていました。でも、来店したお客様に『これだけしかないの?』と何回も言われたのです。そうした意見を考慮し変更しました。プラザなら新車なので規定台数でいいのですが、中古車は一物一価。例えば、年式や色違いの同車種を並べて確認したいというご要望もありますので、車両展示間隔や展示方法を検証しながら、実際に展示スペースの坪数に合わせた展示台数を決めています」
坪数と台数の関係は、いまも検証段階にある。
ネット販売については、この10月からBDSバイクセンサーをスタートした。これは、同店スタッフからの、BDSバイクセンサーに掲載してみたい、という要望によるもの。BDSバイクセンサーは月単位の閲覧数もすべて数値で確認することができ、また、ユーザーからの反応がどれだけあったのか、などについても後追いできる。さらには、分かり易さや使い易さにも優れる。費用対効果の検証も兼ねて利用している、と説明する。
CPOMは、プラザネットワークとしての、新しいビジネス展開のひとつ。プラザで発生した新車基準の中古車をユーザーに提供することを目的としていることは前述した。
「ユーザーニーズの変化を探ったり、認定中古車専門店の需要はどうなのかを検証したり、さまざまな役割を担っています。すでにプラザ店様から『CPOMについて教えてほしい』という問い合わせもいただいています。ここがCPOMを広めるキッカケになれたらと思います」
当面は乗換下取車やレンタル車・試乗落ち車両が商材確保の主流となるが、在庫仕入れは今後の大きな課題のひとつ。
「新車だけではなく中古ビジネスも、プラザネットワークのビジネス展開におけるひとつの選択肢として選んでいただくことができるようになれば、と考えています。CPOM東京南がその第1号店。商材確保も含め、ここで得た展開のノウハウをフィードバックしていこうと考えています」
CPOMの認定中古車版ネットワークというカタチをとるのかどうかは、まだ未定だというが、どのような方向性となるにしろ、カワサキがCPOMというブランドを作り上げる基盤になりたい、という思いは確かなようだ。
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