公開日: 2026/02/09
更新日: 2026/02/20
SNSが「単なる自己満足のツール」であった時代は既に終わっている。TVや雑誌がオールドメディアと言われる所以は、その形態にあるのではなく、制作する側の「感性」にある。
関西を中心に若者が中心となったバイクイベントを主催する、オーガナイザーのMOTOGRAM HIRO(モトグラムひろ)。既存のミーティングとは一線を画すイベントを企画し、SNSで告知。集客までも自ら行っている。20代のユーザーを中心に2000台、3000台とバイクが集結するイベントに、メーカーや各パーツメーカー、大手ディーラーも協力を惜しまない。
全国をバイクで巡り、インフルエンサーとしてエンドユーザーに圧倒的認知度がある。現在インスタグラムのフォロワーは7万人超。バイク関係のSNS、しかも男性でこれ程までの人気者は珍しい。注目のアイテムを様々なロケーションで紹介、多くの企業からPRも依頼されている。
「バイク雑誌を知らなくても、モトグラムひろなら知っている」という若いユーザーは決して少なくはない。批評的な表現はせず、いつもポジティブな情報を発信する、モトグラムひろとはどのような人物なのか。
「大学3年生の頃、コロナ禍により観光業・飲食業をはじめとした多くの業界が大きな打撃を受けていました。もともと起業や地域活性に興味があった私は、『自分に何かできることはないか』と模索する中で、自身の趣味であるバイクに可能性を見出しました。『バイクであれば三密を避けながら旅行やツーリングを楽しむことができ、人と地域をつなぐ手段にもなる』と考え、“バイクライフがもっと楽しくなる情報”を発信するSNS活動をスタートしました。コロナが落ち着いてからは、オンラインだけでなくオフラインでもバイクライフを楽しめる場をつくりたいという思いから、バイクイベントの開催へと活動の幅を広げていきました」
モトグラムひろが活動の根底としているテーマは「TIME TO RIDE さあ、バイクに乗ろう」。ツーリングスポットの紹介、バイクアイテムのレビュー、バイクイベントの企画・運営など、“今すぐバイクに乗りたくなる”情報を一貫して発信しているという。アイテムの選別は「バイクライフがより楽しくなり、その商品を使うことでライダーがよりカッコよくなる」といった自身の視点を大切にしている。そのため、既存のPR動画にありがちな長い説明や、販促的な表現は見当たらない。広告感を極力抑え、視聴者の目線に寄り添った内容となっている。
しかし、扱う商材は多岐に渡る。アクションカメラ/アパレル/バイク用品/飲食店/宿泊施設/観光エリアなど、バイク+αの楽しみ方をユーザーは彼のSNSから「自分にとって有益な情報」として得ているのである。企業にとって、これほど魅力的な宣伝媒体はないと言えるかもしれない。
主催のイベントでは、大手企業だけでなく、個人で挑戦しているクリエイターや事業者の出店も多いのが特徴。告知はSNSを中心に行っているため、来場者の年齢層も比較的若く、熱量の高いコミュニティが形成されている。実際のイベント会場では、音楽ライブ/バイクショー/交流コンテンツなどを実施し、来場者の満足度がこれまでのバイクミーティングより高いと評価されている。
「最終的に目指しているのは、アメリカの『スタージス・モーターサイクルラリー』のように、街そのものが会場となるバイクイベントです。ライダーがツーリングを楽しみながら各地を巡り、過疎地域を会場に選定することで、観光誘致・関係人口の創出・地方創生につながるイベントを目指しています」
一人の若者がはじめたSNSが、大きなうねりを起こしている。いつの時代も変革の中心には若者が立っていた。モトグラムひろから二輪業界が学ぶべきことがある。
時代に乗り遅れないために───。
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