ホンダニューモデルEV

「ICON e:」販売価格は22万円! アーリーアダプター層を中心に需要拡大?

公開日: 2026/03/24

更新日: 2026/03/25

ホンダは2月19日、都内で原付一種の電動二輪パーソナルコミューター「ICON e:」の発表会を開催し、3月23日に発売を開始した。ICON e:は、「Easierand Economical Commuter」を開発コンセプトに、ユーザーの多様なライフスタイルに配慮し使い勝手の良さを目指して開発された電動二輪車。小売価格は22万円で、国内の年間販売計画台数は2200台に設定している。

充電は車載状態とバッテリー単体の二通りの方法を可能に

動力用電源には着脱式バッテリーを採用。充電は持ち運びにも便利なコンパクトな充電器を用いて、車載状態とバッテリー単体の二通りの方法を可能とした。ここが最大の特長。駐輪場などでの車両への直接充電はもちろん、バッテリーを取り外し屋内で充電するという2ウェイでの対応も可能となっている。100V外部電源によるゼロからの満充電の所要時間は、およそ8時間だ。

後輪にはコンパクトなインホイールモーターを採用。これによりパワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの走行距離81km(30km/h定地走行テスト値)を達成。クリーンで静かな走行を体現した。

シート下には、ヘルメットなどの収納が可能な容量26Lのラゲッジボックスを装備。また、フロント部内側には、500mlのペットボトルも入るフロントインナーラックと、携帯端末の充電にも便利なUSB Type-Aソケットを標準装備。通勤や通学、買い物など日常での使い勝手を最大限、考慮した機能を備えている。

発表会には本田技研工業二輪・パワープロダクツ事業本部のICON e:開発責任者・三ツ川誠氏とホンダモーターサイクルジャパン 商品企画部 商品企画課 ICON e:営業領域責任者・鶴田隆時氏が出席した。説明のなかでICON e:は、インドネシアやベトナムなどのアジア市場を対象にリリースしたが、それをベースに日本市場の原付一種の企画に適合するよう開発を進めてきたことを明らかにした。

また、22万円という低価格の実現については、すでに中国市場で多く使われている48ボルト帯の電動車部品を吟味しながら使うことに加え、アジア向けの製品仕様と共通化し台数を増やすことで実現した、と説明した。

質疑応答

左から鶴田隆時氏(ICON e:営業領域責任者)、三ツ川誠氏(開発責任者)
左から鶴田隆時氏(ICON e:営業領域責任者)、三ツ川誠氏(開発責任者)

Q. EM1 e:がラインアップされているのに、ICON e:をリリースした理由は。
A. EM1 e:はMPP(ホンダが開発した着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」の略称)のソリューションを活用し、バイク以外にも色々なサービスに転換している。そんななかでもEM1 e:はモーターサイクルにも活用できる位置づけ。ICON e:と異なるのは、バッテリーシェアリングサービス「Gachaco」のバッテリーインフラのなかでの活用となるところ。都市部のユーザーなど、インフラの恩恵を受けられる人に適している。一方のICON e:はインフラの外側にいるユーザーがターゲット。人口減少でガソリンスタンドも減っていくなか、地方都市のユーザーにも選んでもらうために投入した。MPPを使わなくなるわけではない。

Q. EM1 e:に比べ価格を抑えているが、MPPを使うことによる削減効果は。また、既存ユーザーとの棲み分けは。
A. 交換のしやすさを重視した設計とした。バッテリーを固定する箇所や乗る人が触るレバーなどと電気的接続をワンタッチで行うところにこだわり、それが価格差を生んだ。EM1 e:はコンシューマー層全体のなかのアーリーアダプター層(流行に敏感な層)だと考えている。ICE(内燃機関)に乗るユーザーの移動手段の代替えとして選んでいただけると考えている。

Q. EM1 e:と異なるパーツは何か。また、走行上に違いはあるのか。
A. プラットフォームと灯火器類は共通だが、バッテリーや電動システムはほぼ別物。外観も灯火器以外はすべて専用設計とした。また、バッテリーをフロア下に移動した。MPPモデルだと大きなメットインスペースがなかったため、雨具なども入らなかった。でもいまはICEの原付の使い勝手の良さを実現できた。走りの差については、セッティングは多少違うが、最高速・最大出力は大きく変わらない。

Q. 新車に関しては、このクラスは現状、新基準とEVの二択となる。一方で、e-fuel などカーボンニュートラル燃料の開発も進んでいる。コストダウンや本格的な国内での実用化には時間がかかると思うが、いずれは実用化される。そうなった時の棲み分けについてはどう考えているのか。
A. すでにブラジルとインドの一部で、フレックスフューエルモデルとしてアルコール100%対応モデルをリリースしている。2か国で出す理由は供給インフラがあるため。足元の技術では、アルコール燃料では、供給インフラが整えば、それ以外の国でも十分に可能。他のカーボンニュートラル燃料については研究段階。供給インフラとセットでの展開となる。時代の変化、環境の変化にマッチするものが生き残っていくと思う。ユーザーの声を聴きながら、マルチな選択肢を提供したい。



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