公開日: 2022/02/24
更新日: 2022/09/06
ヤマハは1月13日、都内で3月10日に新発売するスポーツ電動アシスト自転車「YPJシリーズ」の新型モデル2機種「WABASHRT」「CROSSCORERC」の発表会を開催した。いずれもドライブユニット、フレームなどが刷新され、時代のニーズに即したモデルとなっている。
ヤマハが世界で初めて電動アシスト自転車を市場に投入したのは1993年。今から約30年前のことだ。
発売当初はシニア需要が多かったが、子供乗せ、買物、街乗り、通勤、通学と徐々に需要が増加。電動アシスト自転車市場もそれに併せて拡大し、2010年の出荷台数が34万3000台だったのに対して、2020年には73万7000台と10年間で約2倍となっている。2020年におけるバイクの新車国内出荷台数が約33万台だったので、それの倍以上の台数となる。
近年は実用的な使用目的だけではなく、レジャー需要も増加傾向にあるという。こうした状況を受け、ヤマハではレジャーニーズも視野に入れたスポーツ電動アシスト自転車“YPJシリーズ”を2015年に発売。通勤や買物などのほか、中・長距離サイクリングやマウンテンライドも楽しむ層に支持を得ている。
そのYPJシリーズの新モデルが「WABASHRT(ワバッシュ・アールティー/以下、ワバッシュ)」と「CROSSCORERC(クロスコア・アールシー/以下、クロスコア)」。いずれも3月10日に発売される。1月13日に発表されたのは、この2モデルだ。
この2モデルがお披露目されたのは、1月13日のイベント。ゲストMCとして自転車に精通しているモデルの山下晃和氏を迎え、ヤマハからは新機種の開発に携わったSPV事業部開発部プロジェクトリーダー・渡邉岳氏、プロダクトデザイン部デザイナー・吉田健人氏、SPV事業部事業企画部商品企画担当・黒沢大介氏が参加。新モデル公開のほか、各部の解説や質問コーナーも設けられた。これまでYPJシリーズには「YPJXC」など、“YPJ”が機種名に入っていたが、この2モデルにはない。
「今回をキッカケに『WABASHRT』『CROSSCORERC』という“YPJ”を付けないモデルの名称を正式名称にしました」(黒沢氏)
ただ、大きな括りとしての“YPJシリーズ”は残るという。
この2モデルのドライブユニットに新採用されたのは『PWseries ST』。
「ヨーロッパで人気を得ている、実績のあるドライブユニットです」(吉田氏)
「YPJシリーズでは初めて採用しました」(渡邉氏)
従来ユニットに比べ100グラムの軽量化が図られ、高いクランク回転数(ケイデンス)にも対応。スピード、ケイデンス、ペダリングトルク、角度のセンサーからの情報を元に、乗り手が求める適切なアシストパワーを提供する。アシストモードは、オフを含めて5つのモードから選ぶことができる。
バッテリーはフレーム内部に搭載しており、スッキリとしたフォルムを実現している。また、ダウンチューブ内部はツインチューブ構造となっており、これにより剛性を確保している。ワバッシュとクロスコアはフレームとドライブユニットが共通となっているのだが、2車の違いは方向性にある。
先ほど、レジャー需要が増加傾向であることに触れたが、自転車全般において注目されているのが「グラベルバイク」。林道や砂利道などの未舗装路を走る遊びに対応している自転車のことだが、ワバッシュは未舗装路で最も高い走行性能を発揮するように作られたモデル。コンセプトは「いろいろ使えそう。ONもOFFも。」。未舗装路で高い走破性を持ちながら、移動も楽しめて、しかも快適。
それとは逆に、コンセプトを「365days,1bike」とし、日常的な使い方だけではなく、レジャーまでを1台で楽しみたいユーザーをターゲットにし、オールマイティな性格に仕上げられたのがクロスコア。
一見すると、両モデルに大きな違いがないように感じるかも知れないが、目指したところ、つまり着地点が全く違う。ヤマハの30年にわたる電動アシスト自転車の「進化」と「深化」がしっかりと詰め込まれている。
また、この発表会では、アパレル販売などライフスタイル事業を展開している株式会社デイトナ・インターナショナルのセレクトショップ「FREAK’S STORE(フリークスストア)」とのコラボレーションも発表。ワバッシュは「キャンプ」、クロスコアは「フードデリバリー」をコンセプトにし、フリークスストアプロデュースによるコンセプトモデルや関連商品もお披露目された。
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