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公明党オートバイ議員懇話会×全国オートバイ協同組合連合会「二輪業界の今後を考える座談会」

公開日: 2022/02/24

更新日: 2022/09/06

公明党オートバイ議員懇話会と全国オートバイ協同組合連合会は1月27日、衆議院第一議員会館で座談会を開催した。出席者は公明党オートバイ議員懇話会・北側一雄会長、同・石川博崇事務局長、同伊藤孝江幹事、全国オートバイ協同組合連合会・大村直幸会長、オートバイ政治連盟・吉田純一会長の5氏が参加。カーボンニュートラルや軽自動車税問題など二輪車に関する諸課題について意見交換を行った。

被災時、誰よりも早く駆けつけてくれたのが原付に乗った友人でした

<center>公明党オートバイ議員懇話会の北側一雄会長</center>
公明党オートバイ議員懇話会の北側一雄会長

――現在のオートバイを取り巻く環境――

大村 オートバイは「MADE IN JAPAN」の先駆となり、日本企業の海外進出に貢献した産業です。日本国内でもオートバイは国民に近い乗り物でしたが、約50年間法律等のルールの変更がなされず、利用環境の整わない乗り物となりつつあります。その代表例が駐車場問題であり、その結果、二輪車の駐車実態からかい離した取り締まりを行い、需要を一気に縮小させてしまった。この先、カーボンニュートラルによりEV化が加速するのか、あるいは締め出されてしまうのか。販売店としては先の見通しが立たない状況です。公明党さんには、軽自動車税、高速道路料金、沖縄での二輪車通行区分等の問題に取り組んで頂いた実績があるので期待しております。

――二輪車の駐車問題について――

北側 四輪の駐車場は多いけど二輪の駐車場は少なく、駐車違反の取り締まりが強化されている現状において、二輪は利用しにくくなっています。その結果として、販売や生産にも影響を与えるようになった。是正が必要です。二輪ユーザーが利用しやすい環境を創るためには、駐車場整備は欠かせません。駐車場を設置しやすい環境を行政が作ることが必要なのです。駐車環境が十分整備されていない状態で規制していることを、問題点として当局に申し入れなくてはならないと思います。

石川 公明党大阪府本部の代表として、組合から毎年二輪駐車場に関する要望を受けています。徐々に増えてはいますが、全体としては、四輪車は保有台数1000台につき69台、二輪車は11台分しか確保できていません。この解消が必要です。そのための一つの方策として、公明党は附置義務条例を国と地域の連携で進めてきました。全国10都市で制定され、大阪市も平成20年6月に制定されました。更に拡大が必要です。

大村 二輪駐車場問題の解決には、小排気量二輪車の利用実態について行政と話し合う場が必要。これは電動キックボード等の新しいモビリティにも言えること。自治体と利用実態を話し合う協議体の設置をお願いします。公明党さんは「小さな声を聴く」政党だと思ってますので、「国民の足を確保する」という視点でご対応頂きたいと思います。

北側 経済産業省、国土交通省、警察庁でこれからの二輪車を巡る課題について議論する場を設置することが重要です。地方に行けば、原付や軽自動車は生活の足であり一家で何台も所有している。「生活の足」なのです。原付の活用環境を整備して頂きたいと思います。

石川 都市でも、狭い道が入り組んでいる地域においては二輪車が適しています。災害が発生した場合の初期活動において二輪車の有用性を国全体で考えることが大切です。

伊藤 阪神淡路大震災の際に宝塚に住んでいて被災しましたが、その時に最初に来てくれたのが、大阪市から原付でおにぎりと水を持って来てくれた友人でした。私自身、坂のある場所に住んでいたので、原付を「生活の足」として利用していましたし、実際に原付が一番便利でした。二輪車駐車場が重要な課題であることは実感しています。AJ神戸から毎年、ご要望を頂いているのが、観光地の駐車場問題。姫路城などを訪れても、駐車場が少ない。二輪ユーザーも利用しやすいような整備が必要です。地元議員と相談しながら取り組まなければなりません。

左から公明党オートバイ議員懇話会 事務局長 石川博崇議員、公明党オートバイ議員懇話会 幹事 伊藤孝江議員
左から公明党オートバイ議員懇話会 事務局長 石川博崇議員、公明党オートバイ議員懇話会 幹事 伊藤孝江議員

――二輪車のカーボンニュートラルついて――

石川 カーボンニュートラルについても、自動車や二輪車においては保有段階のCO2排出量を削減するだけで良いのかを考えなければなりません。EVやバッテリーは研究開発や製造段階、廃棄でエネルギーを使いCO2を排出しますのでトータルのライフサイクルで考えていかなくてはならないのです。

北側 この問題については公明党だけではなく自民党にも入って頂き、二輪車のカーボンニュートラルのインフラを含めた枠組みをメーカー、販売店、経済産業省、国土交通省、警察庁も巻き込んで検討できる場を設置したいと思います。

――軽自動車税の建付けについて――

吉田 平成25年の軽自動車税の引き上げの際には、公明党さんに頑張って頂き、引上げ金額を当初案より抑えることができました。今年末の税制では再び引き上げ議論が行われると思いますが、軽自動車に二輪車が引き摺られることがないようにお願いします。

北側 軽自動車と二輪車が同じ軽自動車税の建付けになっているのは、少しおかしい気がします。

吉田 商品中古二輪車の軽自動車税免税は、令和4年度から新たに堺市も実施されるとのことですが、今後も公明党さんの各地方議員の方々と協力しながら拡大していきたいと思います。

伊藤 神戸市にも前向きに検討して頂いています。

石川 大阪では何年も要望しています。大阪市も最初は取り合ってくれませんでしたが、公明党の大阪市議会議員が何度も質問を行った結果、行政も理解を示しはじめ、大阪市という政令市を動かすことができた。政令市の堺市でも実施されることになれば、全体的な流れになっていくのかもしれません。

――二輪車の魅力と三ない運動について――

伊藤 私は兵庫県でFMラジオの番組を担当していますが、昨年、AJ兵庫の島津理事長をゲストにお招きし、二輪車の魅力を語って頂きました。二輪車は単に便利なだけではなく、生活を豊かにしてくれる、とおっしゃっていました。私の事務所の秘書は以前、先輩議員の草川先生の事務所におりまして、その関係から昭和58年に質問主意書を提出していると聞きました。その内容は、「高校生には『三ない運動』ではなく安全運転教育で二輪車の使い方や乗り方を学んでもらうことが大切。それをせず『三ない運動』を推進していくと、二輪車は暴走族車のような使い方をされてしまう。若者から二輪を取り上げるのではなく、正しい運転技術を身に付けてもらうことが大切」というものでした。この考えは私達も同じです。二輪車の愛好者が増える仕組み作りも含めて兵庫県でも頑張って参ります。

吉田 「三ない運動」は、すでに全国で廃止になったと言われてますが、実際にはまだ残っています。交通教育を考えると悪い面の方が多いので、各地域において公明党さんに協力をして頂き「三ない運動」をなくして交通教育を行い、皆でルールを守っていくことが大切だと思います。

――公明党に対する今後の要望と取り組みについて――

大村 全国オートバイ協同組合連合会として、公明党さんには「国民の足」としての二輪車を守っていく具体的な取り組みをお願いしていきたいと思います。

石川 コロナ禍で国民の二輪車に対する考え方が変化しています。先日、大阪府北部の能勢を訪れたら、ツーリングをしている方が大変多かった。これほど多いのは初めてでした。二輪車はオープンなので換気の必要はないし、感染に対する安心感が一つのキーワードになっています。二輪は四輪と同様に裾野が広い業界です。二輪車の課題は多岐にわたり見落とされがちになっていることが多いので、今後ともAJの皆様方と密に連携しながら公明党は汗をかいて課題を解決していきたいと思います。

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